占いに救われたことのない占い師 その6

これ↓の続き

ペットがラッキーアイテムだ、と言ったら、かわいい男の子捕まえてこなきゃ、といわれたお客さまがいらっしゃいました(実話。

キューピーさんのことをもうちょっと。

いわゆる「見える人」に遭遇したのはキューピーさんが2人目でした。
お二方とも半端ない見えっぷりで、ま、私はそういうことにあまり馴染みがなかったから尚更衝撃だったのでしょうけど、電話で話していてもこちらの様子をことごとく当てるのです。

そこまでわかるんなら、こっちがなんも言わんでもわかるやろ、と思いましたが、いわば友達の家に遊びに行って、通されたリビングの様子はわかるけど
隠された台所の様子はわかんないようなもんだ、と言われ納得。

キューピーさんは自分の過去世はすべて憶えているそうで、また今世、何歳でどのように死ぬかもわかっているそう。
それも怖い話しですよね。先のことがわかってるって、未來に希望が持てないよね。

私は自分のことはあまりキューピーさんに話していなかったのですが、初めて電話で話すことになった日の前日、なんと元配がキューピーさんのところに現れたというのですよ!
そして電話で話している最中も、ずっとキューピーさんの傍らにいて私への文句を言っているというのです。

普通は死んだら生前のいろんなことは手放しちゃってほんと仏さまみたいに尊い存在になるもんなのに、この人は救われないねー、って。似たようなことは他の人からも言われたことあります。
その生き方は彼の選択なのだ、と。私にはどうしようもなかったのだ、と。
だから私は彼の死に罪悪感を抱く必要はないのだ、と。それで楽になれたんですよね。

ま、なんでそんな人と縁がつながっちゃったのか、それもまた私の選択だったわけですが。

キューピーさんに言わせると、人はすべからく生まれてくる時に自分の今世の課題を自分で選んでもってくるというのです。
そしてそれをクリアするかどうかもその人の選択次第なのだ、と。
頑張れない事に対して、どうしたら頑張れるんやろ、と尋ねたら、
頑張らんでええねん、頑張らんことを選択してるんやから、と。

生まれる前から決まっている事と、自分次第で変えれること、その違いを何度も尋ねたのですがイマイチフルイチ納得できる答えは得られませんでした。

そう、キューピーさんとの会話っていつも禅問答みたいなんですよ。
正論と原則がすべて、みたいな。話が大きすぎて日常の矮小な悩みには対応しません。
そ、見える人に相談しても問題は解決しないのですよっ。
当たる占いが問題を解決してくれるわけでないのと同じです(同じなのか?

キューピーさんは持病があって、それでたいそう苦しんでいました。
症状を聞いて、鍼とか整体とか行けばいいのに、と言いましたら、そういうものは信じない、というのですよ。

意外。

見えない世界の住人であるキューピーさんは、西洋医学しか信じないというのです。
なぜなら、小さい頃から人には見えないものが見えてしまうことで苦労をしてきたので、自分自身には「科学の子」であることを課してきた、と。
見えないものと科学との折り合いをつけることに、なんかたいそう苦労されてるように感じました。

キューピーさんから学んだこと。
目の前にいる困っている人には具体的な解決策を提示してあげないと、気休めではダメだ。
いまだに自分の中でまとめられていないことですが、科学で証明できないオカルト的なもの、スピリチュアルなものの有効性をどう説得力のあるものとするか、ということです。

そう、キューピーさんの「科学の子」である部分が私に対して説得力をもったのでしょう。
その他のケースもそうでした。
スピリチュアル的なことを言われて耳を傾けようという気になったのは、科学的な理路整然としたボキャブラリーを持つ人でした。
スピの世界の中でしか通用しないボキャブラリーでは、納得できないのですよ。
ほら、私って理屈っぽいからさー。

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