オコリンボだったのはなぜ?

30代女性さま、セッション内容のブログ化にご快諾いただきました、ありがとうございます!

初回よりかなり時間がたっての2度目のセッションでした。前回に課題となったことにまだ着手できていない、とのこと。そして着手できていない原因というのがオウチの中のゴタゴタでした。相続にまつわる問題で、そのゴタゴタを見るのがすごくイヤだった、と。関わりたくなかった、と。当事者はおかあさんと、おかあさんの妹さん、つまりこの方にとってはおばさんです。

登場人物は
・ご本人さま
・おねえさん(嫁がれています)
・弟さん
・おとうさん
・おかあさん
・おとうさんのおねえさん(おばさん1号)
・おかあさんの妹さん(おばさん2号)

これ見て、何か気づきませんか?家族の問題のパターンってほんと繰り返されてることが多いんですが、キーパーソンは「おねえさん」なんです。そしてご本人さまの役割ってのは「妹」なんです。おかあさんは妹さん(ご本人さまにとってはおばさん)にとっては「おねえさん」なんですよ。

ご本人さま、もともとはボディ系のセラピストとして開業されていました。現在は家業を手伝っていらっしゃるのですけど、セラピストを生業とするのがおすすめ、まずはご自宅内に施術スペースを作ること、というのが前回ご提案させていただいたことでした。それがまだ果たせていないとおっしゃるのです。

家業の窮状を助けるためにセラピストを辞められてオウチに入られました。現在、家業をメインに仕切っているのは弟さんです。その弟さんからご本人さまの仕事のやり方についてケチがつけられました。まー、理不尽とも言えるケチです。私はこんなに頑張ってるのにどうしてわかってくれないの?私が手伝うのって迷惑なの?と凹まれました。

そしておばさん1号からも、家業は弟にまかせたほうがいいのではないか、というニュアンスのケチがつけられました。家を出ることまで指示されて、私はこの家には必要ないの?邪魔者なの?とまたまた凹まれました。

おかあさんは、家のことはいいから自分の好きなことをやりなさい、と言ってくださってます。でも、ご自身が家業の手伝いから手をひけないのです。そして、家にいても寂しくて仕方がない、とおっしゃるのです。サイコロ振ってもセラピストが圧倒的におすすめです、家業の手伝いに背中を押すものは出ないのですよ。

おかあさんとおばさん2号の間の遺産のゴタゴタを見て、自分とおねえさんもそうなったらどうしよう、という恐怖がやってきたそうで。そして、おねえさんのことは好きじゃない、とおっしゃるのです。おねえさんが来ても顔を出さない、と。おねえさんの何がそんなにイヤなんだろ、と探ってみましたけど、これというものが出て来ません。

遺産はご本人さまとおねえさんと弟さんの3人で平等に分けることになったそうです。そのことに対して、なんでおねえちゃんと平等にしないといけないのかわからない、と怒りを露にされました。お金が欲しいわけじゃない、でもなんかイヤ!とおっしゃるのです。ご本人さまと弟さんは家業を担ってらっしゃるのに、おねえさんはそれをしてないことへの怒りかな?でも、なんでこんなに怒るのかな?と不思議でした。

怒ってらっしゃるんですよ、ご本人さまは自覚がなかったそうなんですが、ものすごい怒ってらっしゃるんですよ。そう多弁な方ではないという印象だったのですが、今回はずーっと怒りを訴えていらっしゃるのですよ。私が口をはさむスキもなくwww

で、セッション開始45分にしてようやくカードを開くことができました(いつもはすぐに開きますよねっ。

・ブロックしているもの「犠牲」
参考エントリー:私さえ我慢すれば、は幸せから遠ざかるための最強フレーズです!
・では、どうするか「手放す」
・得られるもの「ハイアーマインド」
参考エントリー:手放す
・現状「吊るし人の逆位置」
参考エントリー:吊るし人の逆位置

この方は家族の犠牲となってわが身を呈していらっしゃるのです。ご自分に成果を得ることを許していらっしゃらないのですよ。私が頑張らなきゃ!って頑張ってらっしゃるのですが、受け取ることをなさっていないのでその行動に成果が伴うことはありません。

怒りを現していらっしゃるのはおねえさんとおばさん1号に対して。どちらも家を出ていらっしゃいます。なので家の窮状はご本人さまほどわかっていません。自分は泥をかぶらなくていい安全な場所から、当事者でないからこそ言えるお気楽な発言をされています。それに腹がたちます。

弟さんも現場のことはわかっているけど、帳簿の細かいところはわかっているようでわかっていません。ご本人さまが資金繰りに頭を痛めているのに、これまた呑気なことを言われます。それに腹がたちます。

ご本人さまが家業を手伝うようになる前は、おかあさんが帳簿を仕切っていらっしゃいました。ないものはしゃーない、なるようになるわ、とご本人さまからしたらドンブリ勘定でやってこられたそうです。ギリギリやん、支払いできんかったらどうするの、と心配してもおかあさんは、なるようになるわ、と流されます。それに腹がたちます。

私がこんなに心配してるのに、なんでみんなそうも平気でいられるのよ!!

この時点では(ここ、重要)この方の怒りの根っ子はこれでした。

命式的にですね、たいへん繊細な方でした。デリケートなんです、人が平気なことでも傷ついちゃうんです。ご家族の命式は見てませんが、きっとみなさん雑草系のたくましさを持ってらっしゃる方ばかりなんでしょうね。そしてそのデリケートさが家族にわかって貰えることはないのです、残念なことに。

何をそんなに気にしてるの、何をいつまでも怒ってるの、そんなの気にしなくていいじゃない、家に籠ってないで外で気晴らししてきなさいよ

この方が家業を心配して胸を痛めていても、それは報われないのですよ。だってみんな気にしてないんだもの。

おねえさまの嫌いなところ、スルーできるところだ、とおっしゃいました。ご本人さまが小さい頃からイヤだった親戚の集まりの場、そこでは諍いが頻発していて、それを見るのがイヤだったのです。行きたくないといくら言っても、そんなもんや、気にするな、と言いくるめられていました。ご本人さまがイヤな親戚付き合いの場をおねえさんも弟さんも平気なのです。諍いがあっても平気なんです、スルーできてるんです。

でも、この方にはそれが出来ませんでした。だって繊細だから。穴があったら埋めなきゃ、と思っちゃう、埋めないと危ないと思って一生懸命に穴を埋める工事をする、頑張ってやってるんだけど穴はいっぱいあって埋めても埋めてもキリがない、しんどいです。

しんどいよー、と言っても誰もわかってくれません。穴なんかあったっていいじゃないの、と流されるだけなので。そして、わかって貰えないという怒りだけがどんどんと蓄積されていったのです。それが飽和状態に達したのですね。

みなさんご存知のように(知らんか)自分の感情はいくら相手に訴えてもダメです。期待した反応がかえってこなくて、さらなる失望を味わうだけです。なので自分の感情は自分で処理することが必要なのですよ。それがヨシヨシです。

オウチのことが心配だったよねー
大人が言い争いしてるのイヤだったよねー
私はこんなに心配してるのに、おねえちゃんが呑気にしてるのムカついたよねー
頑張ってるのに、そんなのいいから、っておかあさんに言われて寂しかったよねー

こうやって、ダメージを受けた過去(現在も含め)の自分の感情を受けとめてあげていただきたいのです。

家業から離れてセラピストとして再出発していただく、でも一歩を踏出すことが怖い、とおっしゃるのです。失敗したらどうしよう、と。失敗の怖れがあるのか、と探っていったら7歳ちゃんが出てきました。ひとりでお弁当を食べてる寂しそうな光景です。好きでひとりで食べてるのに、ひとりだと寂しいんじゃないか、って思われるのがイヤだ、とおっしゃいました。おかあさんに、ひとりでも大丈夫だよ、と言うことが出来て、あ、そうなんや、と言って貰えたら安心できる、と。

んー、なんか違うな。

もっかい探りに行ったら、一生懸命走ってるのに転んでしまって、先生やお友達から笑われてしまった、というものが出てきました。そしておかあさんから言って欲しかったのは、「失敗しても大丈夫だよ」という言葉。

セラピストとして人と関わることをやっていきたい、と言っていただけました。対象とするのは疲れている人、疲れている人を癒してあげたい。じゃあ今いちばん癒してあげたい人は誰ですか?とお尋ねしたら、おかあさん、と。おとうさんには施術してあげているけど、おかあさんには久しくなさってないそうです。なんで?

おかあさんに怒っていらっしゃいました。遺産のゴタゴタの時に、おかあさんは自分の妹であるおばさん2号を攻撃していました。夫であるおとうさんも一緒になってです。遺産の処理をいかに自分たちに有利な方向に進めるか、という闘いでした。その闘いを目にするのがイヤだったのです。

なぜか。

だっておばさん2号悪くないもの。おかあさんは自分ひとり頑張ってるって思ってるけど、おばさん2号だって家のために一生懸命だったよ、それをわかってあげずに、おじいさんやおばあさんの肩ばっかりもつのっておばさん2号がかわいそうじゃないか

そしておかあさんとおばさん2号の関係に、ご自分とおねえさんを重ねていらっしゃったのでした。

私はいらないんだ、おねえちゃんのほうが必要なんだ

なんでそう思うんですか?

おねえちゃんは親の言うことを素直に聞くから

で!!

このお姉ちゃんの素直な所、というのがですね、スルー力だったのですよ。ご本人さまは心配で仕方がないので、親からの指示に対して、それでいいの?それで大丈夫なの?と突っ込んでしまう。でもおねえさんは、はいはい、とそのまま受けとめることが出来たのです。親からしたら、ご本人さまは親の言うことにいちいちたてつく子、となっていたのかもしれませんね。それに引き換えおねえさんは、はいはいと言うことを聞く扱いやすい子だったのでしょうね。

ちっちゃいちゃんの正体は、繊細な心配性さんでした。ま、ええか、とスルーすることが出来なかったのです。オウチのことが心配で、おとうさんやおかあさんのことが心配で仕方がなくて、家業から離れられなかったのです。

でもそれは本来やるべきことではないので、達成感や充実感、成果にもつながりません。残念ながら、こんなに心配してるのに!家のために頑張ってるのに!という気持ちは認めて欲しい人から認めてもらうことは出来ません。

なので。

自分が本来やるべきことをなさっていただきたいのです、セラピストとしての道を歩むことを。

どうにかなるわ、という図太さを持った家族によってそれなりに運営されてきた家業でした。繊細な人から見たら心配でしゃーない状況であったとしても、これまでなんとかなって来ていたのです。この方のやり方がそぐわない場所だったのです。いいとか悪いとか関係ありません、ほんと、持って生まれたものの違い、それだけです。

なので犠牲の立場からご自身を解放していただいて、認めて欲しい、という気持ちを手放していただいて、本当のご自分の輝きを取り戻していただくために一歩を踏出すべき時だったのです。

さ、私もオコリンボだわ、というそこのあなた。あなたのオコリンボにはどんな根っ子があるでしょうか、見つけるお手伝い、させていただきます。

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