誰かが死んだのは私のせい

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たしかこの本だったと記憶してるんですが

セラピー文化の社会学―ネットワークビジネス・自己啓発・トラウマ

• 作者: 小池靖
• 出版社/メーカー: 勁草書房
• 発売日: 2007/08/29
• メディア: 単行本
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キリスト教で『懺悔』ってあるじゃないですか。
懺悔の部屋、ってありますよね。
告解というものの存在は個人を確立させるために大変重要である、というようなことが書かれてあったようなというたいへん曖昧な記憶が。

それ読んで、へー、って思ったんですけど、告解って概念はキリスト教にしかないのか、と。己の罪を告白して許しを乞う、ということは日本人にはないのか、と。

免罪符ってものもあるじゃないですか、それ買ったら罪が許される、って実にムシのいいものですが、つまりお札を買ったら許してやるよ、という寛容のシルシでもあるわけですよね。

そっか、つまり懺悔も免罪符も『許す』ってことが前提なわけですよ。

では、許されないとどうなるのか。ずーっと罪悪感から解放されません。告解するということは、罪悪感から自身を解放するために必要なことなのです。告解しないということは、罪悪感に責め続けられているということです。

だからねー、出しちゃったらいいと思うんですけどね。出したら楽になれるんですけどね。楽になるより罪悪感を選ぶってことは、自分が苦しむことが罪の償いだと思ってるってことなんですよね。

え、それ、誰の救いにもなりませんよ。罪悪感を抱くってことは誰の救いにもならないんですよ。罪悪感を抱かせてるってことが救いと勘違いしてるって、復讐以外の何物でもないのですよ。だから罪悪感はとっとと手放したらいいんですよ。罪悪感ってのは人を幸せから遠ざける最強のものなんですよ。

罪悪感＝私のせい

で、罪悪感ってのは自分を責め続けるだけで、前に進むことをしません。失敗があってそれが罪悪感のもとならば、その失敗から学んだことを活かして前に進むということをしません。だってそれしちゃったら、もう責める必要がなくなるから。だから罪悪感って不毛なんです。

で、罪悪感を抱いている人にかけがちな言葉。

あなたのせいじゃないよ

誰も悪くないよ

そう言って貰えて楽になる、ってこともあるでしょう。でも、あまりに重い罪悪感はそう簡単に消えるものではありません。受けとめがたいほどの重い罪悪感、向きあいたくないものに対して人はどうするか、フタをします、感じてないフリをします、気にしてないよ、乗り越えちゃってるよ、とウソをつきます。

かけるべき言葉は

罪悪感もっててしんどかったね

自分が悪いって思ってたよね

です。そういう気持ち（罪悪感）を抱いていた、ということを受けとめてあげるのです。

自分のことはわからないけど人のことはよくわかる。なんか後ろ髪ひっぱってる人、向きあいたくないものを避けているがゆえに成果をつかめてない人、ほんま端で見てるとよくわかるし、そこをとっぱらった後の快進撃ぶりがすごいんですけどね。

いろんなこと、たいがいとっぱらってきたと思ってたんですが、先日お越し下さったお客さまにですね、でかいのが残っていることに気づかされました。ばっちり指摘されたんですよ。

元配さんのせいじゃないですか？と

え？そこ？
え？まだ何かあったっけ？

ありました、ありました、ガッツリとフタしてたものが。ちょっと人には言えなかったことが。

元配についてはアメブロに延々と書いてオリましたが
経歴という名の露悪
ま、元配への基本姿勢は文句、そして、私は悪くないという主張につきるかと。

元配には８桁のお金を投入していました。経済的に立ち行かない母子家庭生活、１円でも取り返さないといけません、プロにお願いしてお金を取り戻すための交渉を始めました。とはいっても経営が破綻してしまっている店からお金をひっぱりだせるはずもありません。開けていては経費が発生するだけのお店、まずそれ閉めようよ、そして処分できるものは処分しようよ、と。まー、いわば最後通牒ですかね、いついつまでに返事をください、と期限を設定しました。

その期限の日の朝に彼は首をつったのです。私のせいだ、と思いました。

結婚生活から逃げ出したゆえ周囲（とくに元配サイドから）『お前が殺した』とさんざん言われました。最後通牒の事実を知られていたなら、お前が殺した批難はそれどころでは済まなかったでしょう。

で、ここから２年ほどほんっとにおかしかったです。記憶がありません。まったくアンコントローラブルであったこの期間の私の様々な言動でチビをいっぱい傷つけてしまいました。チビはそれをいまだに恨んでいます。チビは自分の父親の死因を知りません。

必要もないので元配の命式など作ってもいないのですが、幸いなことにというか、元配の持ってうまれたものがかなり禍々しかったらしいのですよね。私に占い師になることをすすめたＮさんにも他の方にも元配を見てもらったら、ああ、この人はあかんわ的なものばかりだったのです。キューピーさんにもそう言われたしな。それが救いでした。

でも、なんでそんな禍々しい人と一緒にならなきゃいけなかったの？となりますよね。ここんとこがねー、占いだけでは救われない、って感覚につながっちゃうんですよね。まあ、わざわざハズレをひいちゃうってのは穴ぼこゆえ、ですからね。

２年間のおかしかった時期から抜け出すことができたのは、新聞で読んだ宮本輝の記事で。どの作品だったか忘れちゃったけど、やはり配偶者に自死された主人公が、あの人は私ではどうにも出来なかったのだ、彼は死ぬ事でしか救われなかったのだ、というような記述があって、それがすごい滲みたんですよね。うん、あの人は私ではどうにもできなかった。彼の欠落感は私では埋めることはできなかった。

そこで手放すことができました。いえ、できたつもりになっていました。私は悪くない、と必死で言い聞かせていただけだったと気づきました。

今これを書いていても、まだ気持ちが出て来ません。それだけガッツリとフタしてるんですね、私が殺した、という罪悪感に。頭でわかることと気持ちはほんと違うんですよ。

いろんな方のお悩みをうかがっていて、人を幸せから遠ざける最強のものは罪悪感だな、とすごい感じます。罪悪感から自由になるためには許さないといけません。免罪符を手にするためには、まず罪に向きあわないといけません。やらかしてしまった、と自分を責めていることに向きあわないといけません。そこに向きあわないとどこから許されるのか、がわかんないじゃないですか。この『向きあう』ってのがほんと一番辛いことなんですよね。

ひとりでは難しい作業かもしれません。お手伝いさせていただきます。寄り添わせていただく、といってはおこがましいでしょうか。

ずっと自分のせいだと自分を責めていたよね。自分を責めざるをえなくて辛かったよね。ヨシヨシ。

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