で、こにしにご一緒させていただいたのが「みーちゃん」です。みーちゃんは3ヶ月間、過酷ともいえるお仕事をされていて、それが終わったらこにしに飲みに行こうね、って約束してたんです。
コネクトロンにお越し頂くご相談者さまには、ほんと開いた口がふさがらないような過酷な人生を送ってこられた方が少なからずです。めでたく過去をふっきる事が出来た方もいらっしゃいますし、もうちょっと進みにくいものを手放せずにいる方もいらっしゃいます。すっと手放せる方とそうでない方の違いはなんなんだろうな、といっつも首をかしげています。
みーちゃんもいろいろなものを乗り越えて来られた方です。
初めてお越しいただいた時のご相談は転職についてでした。みーちゃんはたいへん有能な女子(おまけにカワイイ♡)、つまりその時のみーちゃんは掃きだめに鶴状態だったのです。掃きだめに集うシモジモどもに煩わされていました。本当にやりたい仕事への引き合いがある、そこに移ってもいいかどうか、というのがお題でした。
移ることにはゴーサインが出ました。そのお仕事、女性としてはたいへん珍しい職種です。
みーちゃんがその業界に足を突っ込むきっかけになった最初の職場、それもかなり特殊な業界でした。かなりハードな現場というイメージがある仕事なんですが、それを伺った時、こんな若いカワイイ女の子が?とびっくりしましたよ。
その最初の職場で、みーちゃんは仕事を叩き込まれました。そして、それってただのイジメじゃん、と言うしかない仕打ちを受けていたのです、抑圧する理不尽な上司がいたのです。みーちゃんは上司の仕打ちに耐えました。
耐えざるを得なかったのはなぜか、オウチの事情です。みーちゃんは稼がなくてはいけなかったのです。これまた、なんでみーちゃんがそれひっかぶらないといけないの?と首をかしげるものでした。そしてみーちゃんは潔くそれを引き受けるのです。みーちゃんはいつも絶対に逃げないのです。
逃げないがゆえに、みーちゃんはさらに有能となってしまうのです。
有能な人には有能な人にしか出来ないハードルの高い仕事が与えられるわけですが、みーちゃんは自らハードルを上げるということを何回もやっています。そしてまた有能になっていくのです。そしてさらにハードルをあげるという終わり無きスパイラル。
みーちゃんの今回の転職先の業界のことなどまったく知らなかった私ですが、男ばかりの職場です。しかしそこでも通用する珍しい技術と資格をみーちゃんは持っているのです。それを必要とする人はみーちゃんに来て欲しいし、女だから、と難色を示す人もいます。難色を示す人を納得させるだけのものを提示しなくてはなりませんでした。
現場に配属される前の試験というか勉強というか、それへの打ち込みぶりがすごかったですね!みーちゃん、頑張れ!女だから、なんて言ってるヤツに目にもの見せてやれ!と思ってました。なんせみーちゃんは頑張っちゃうのよ。
仕事を変わるタイミングで彼氏もできました。新しい職場で現場に配属されたら1ヶ月は会えません。別れたほうがいいのかな、と悩んでもいました。勉強に、仕事に、彼氏は邪魔だから、私は仕事で成果をあげるんだから、と。やりたかった仕事がやっと出来るんだから、と。
さて、頑張った甲斐あって、女だから、なんて言ってた奴らも納得せざるを得ない結果を出して、みーちゃんは無事現場に配属されました、1ヶ月は帰ってこれない予定です。
で、この配属先の現場の様子をうかがってですね、私は魂消ましたですね!なんでまたそんな過酷な現場に?と。ま、その業界からしたら当たり前の作業環境、労働条件なんでしょうけど、そのお仕事をすることがそんなに楽しいのかー。しんどいだろうけど力を発揮して、有能さを認めてもらって、可愛がってもらえたらいいね、と思ってました。
しかし遠く離れた現場から寄せられるみーちゃんの様子はたいへん疲弊したものでした。やはり登場した理不尽で無能な上司。掃きだめから脱出したはずなのに、まだシモジモに煩わされなきゃいけないの?というみーちゃんの苛立。
抑圧する男性というのは、おとうさんのシャドーなわけです。
みーちゃんに最初に出て来た問題はおかあさんが根っ子でした。自己評価の低さ(ほんっと有能なのに!)はおかあさんに由縁するものでした。しかし繰り返し登場する理不尽な無能上司によって、女性の部分が抑圧されていました。そ、女性性の低さ。女性性の低い方が男性としっかりとしたパートナーシップを築けるはずもありません。おとうさんのことも扱って、自分で否定していた女性性の部分にも気付けていただけていたはずなんですが。
が。
抑圧する理不(ry)上司がまたまた登場したことに、私は正直おどろきましてね、まだ出るか?と。まー、みーちゃんは沢山のものを抱えていらっしゃったので、2〜3回のセッションでそれがすべて無くなるわけもないんですけど、あまりに同じパターンの繰り返しなので、これはもっと徹底的にやらなきゃいけないな、と思わされました。
悲しいことに、1ヶ月の予定がみーちゃんに代わる人がいないということでひっぱられてしまい、帰りたい、辞めたいというみーちゃんの申し出も無視され続け結局3ヶ月が経ってしまったのです。
帰ってこれたらセッションしようね、こにしに行こうね、と約束してました。約束どおり、みーちゃんはお勤めを終えたあとやってきてくれました。
辛い現場でしたが、みーちゃんが信頼&尊敬できる人、みーちゃんが甘えられる人、みーちゃんを助けてくれる人もゼロではありませんでした。その人たちがみーちゃんを次の仕事に引っ張ってくれるというのです。でも、そこもまた過酷な現場。1ヶ月、3ヶ月と家を離れることになります。仕事もしたいけど、彼氏も欲しい、どうしよう、と悩んでいらっしゃいました。
今回はセッションのテーマははっきりしています。繰り返し現れる抑圧する無能上司、これは一体なにに由縁するものなのか?それを探ることです。
おかあさん、おとうさん、おにいちゃん、妹、家族の中で自分だけ粗末に扱われる、嫌悪感を持っていた対象、これまで出て来たものと同じものが今回も出てきます。しかし新たに出て来たものもありました。みーちゃんが仕事以外でやりたいと思っていること、それにおにいさんが関わっていました。これ、初耳でした。へー、と思いながらお尋ねしたら、それの大本はおとうさんなんですよね。これまた、へー、となりました。ここでおとうさんの印象がガラッと変わってしまいました。
そうか、おとうさんじゃないんだ。でも、おかあさんでもないんだ。じゃあ、一体誰なんだろ?
探っていきますと、小学生の時に苛められていた、という体験がでてきました。でもこれ、以前も出て来たものなんです。小学生といえばもう大きいので、通常はさらに遡って根っ子を探りにいきます。みーちゃんとの過去のセッションでもそうやっていろんなものをホジくり返したわけなんですが。
正直なとこ、ホジくり返し尽くした感があったのですよ。もう無いよね、と。じゃあ、これなの?と思い、ここを探っていったらですね、これまた過酷な仕打ちの過去が出てきました。で、やっと出て来たんですよ。
男より強くなくてはいけないと思った、と。
苛められないためには男より強くならなくてはいけないと思った、と。
文字にするとたったこれだけのことです。でもこれが、みーちゃんをずっと頑張らせていたものの正体だったのです。男より強くなくてはいけない、ともちろん自覚があったことでしょう。でも「これだったのか!」とみーちゃんが頭で考えるのではなくて気持で感じることは出来ていなかったということです。
これが、頭で思うことと気持ちを感じることは違う、と常日頃口を酸っぱくして言っていることです。コネクトロンのセッションを受けてくださった方はわかっていただけますよね?ね??ね???(しつこい
気持ちを動かさないとダメなんです。それはもう、理屈じゃないんです。大げさに言いましょう、クサい言い方をしましょう、それはあなたの魂に触れるということなんです。
男より強くなくてはいけないと思っていた
弱いところを見せてはいけないと思っていた
もちろん、甘えるなんてとんでもない
できない、とか、わからない、とか言っちゃいけない
これがみーちゃんが作ってしまったハードルです。ひとつ乗り越えると、さらに高いハードルを設定します。より理不尽な、より抑圧する上司を登場させます。乗り越えるべきハードルとして。
これがねー、できない人だったらよかったんですよね、トンズラできるから。みーちゃんが優秀だったがためにハードルをクリアできてしまった。
じゃあ優秀でいるより無能なほうがいいんだ、ってことになりかねませんが、ハードルを越える力があることを自分のリソースとして認められたらいいんですよ。みーちゃんもそうですが、こういう方は往々にして自己評価が低い。びっくりするぐらい出来てるのにそれを絶対に認めようとしない。そして、もっと頑張らないといけない、と思っている。
手にしているものをきちんと認められたらいいんですよ。私、出来てるぢゃん!と。私、すごいぢゃん!と。それは自信です。自信は自分を強くしてくれます。強くなるとは闘う力ではなく、自分が弱い、できない、と認められることです。
できる、と認めることによって、できない、と認めることができるようになる、なんか不思議ですよねー。
できない、と言うことができるようになると、ご褒美がいっぱいやってきます。それは助けてくれる人、手を差し伸べてくれる人。
甘えさせてくれる人。
みーちゃんの辛い3ヶ月にも、みーちゃんを甘えさせてくれる人がいました。これがねー、聞いてびっくりしたんですけどねー、その人の名前がですねー、みーちゃんを小学生の時に苛めた人と同じ名前だったんですよ!!
みーちゃんを苛めてた男の子、誰がどうみてもみーちゃんのことが好きだったのです。でも、気持ちを素直に伝えることができない子どもは、それをイジメというちょっかいでしか現すことが出来なかった。彼にとっても悲劇です。
甘えられない人が甘えられるようになるためには、甘えざるを得ない状況を引寄せるといいますが、みーちゃんが甘えられるようになるにはあまりに重すぎるものばかりでしたが、そうまでして気付けよ、って言われてたんですね。
で、そうまでして甘えられないようにさせられていたわけです、みーちゃんは。つまり、小学生以前に。
みーちゃんを甘えられなくさせてしまった張本人は7歳以前に存在してるはずですが(あ、これもご自覚がおありでしょうけどね)、イジメのダメージが大きすぎてそこにきちんとたどり着けてないかな、って感じです。次にみーちゃんが何かにぶつかることがあれば、傷ついていたちっちゃい自分をさらに愛おしく癒すことが出来ることでしょう。
みーちゃんとこにしに行ってマスターに、「このお嬢さん、3ヶ月もたいへんなお仕事して帰って来られたとこなんですよ」って言ったら、なんとマスターもその業種に従事されていたということが判明。その後はマスターとみーちゃんとで私にはまったくわからない業界談義が続いたのでありましたwww
こういうのってほんと縁ですよねー。ほんとドラマのような素敵な場面に立ち会わせていただいたような気がします。それでなくてもおいしいお酒がさらにおいしくなりましたよ。
あ、そうそう、おまけに(何のおまけ?)みーちゃんは9年にわたって背負っていた実家のトラブル解消もやりきったのです。9年間、みーちゃんは逃げなかったのです。みーちゃんは本当に自由になれたのです。自分の本当の人生をスタートできるのです。
みーちゃんの長い航海は終わりました。もう荒波にわざわざ立ち向かう必要はないのです。みーちゃんの港となってくれる人が遠からず現れることでしょう。そしてもちろん、みーちゃんも誰かの港となるのです。
みーちゃんと同じようにたいへんな思いをしてきた人にみーちゃんの話を読んで欲しいから書かせて、とお願いしましたところ、快諾いただきました。
みーちゃん、ありがとうね。これからは甘えられる人生を。自分を痛めつける必要はもうないのですよ。