山を登る際、足元を見ながら歩くか、顔をあげて道の先を見ながら歩くか、ケースバイケースだと思います。
たまには振り返って、こんなに歩いたなあ、と思ったり。
逆に、まだこれだけしか歩いてないと凹んだり。
先を見て、まだあんなにあるのか、とうんざりしたり。
逆に、頑張って頂上を目指すぞ!とやる気がたぎったり。
1〜2年後の開業を目指していらっしゃるトミーさん、思うような物件がなかなか見つからないというところで、やる気が起きない、と嘆かれます。
やる気が起きないとは、何かやるべきことがあるのにそれに着手することができない状況かと思いますが、まあ、物件が見つからなくて思うように進まずやる気が削がれた状態なのかもしれません。
この数年は開業に向けて動いていらっしゃいました。開業に向けた選択をなさってきました。
お仕事のこと、周囲の人と志が共有できないもどかしさなど語ってくださいます。
ではトミーさんの志とは何か。
トミーさんは虐待された子どもでした。
虐待のニュースを見るたび、せっかく産んだ子どもを虐待するなんて信じられない!と憤りをあらわにされます。
いつもは淡々と話されるトミーさんが、許せない!!と声を大きくされます。
私の母は子育てが下手だった、育児の知識がなかった、虐待しなくて済むようにお母さん達を教育したい。知識は人を救う。
これがトミーさんのやりたいことです。
子どもが虐待されることのない世界、これがトミーさんの目指すものです。
開業はそのための手段です。
足元だけを見て歩いていたら、何のために歩くのかどこに向かって歩くのか分からなくなってしまうでしょう。
日々の業務や開業準備が忙しくて、トミーさんはうっかり自分には目指すものがあることを忘れてしまっていました。
目指す「虐待のない世界」の前には、開業と開業準備という2つのフェーズがあったので、最終目的地がちょっと見えにくかっただけなんでしょうね。
それが「やる気が起きない」という現象となっていました。
目指すものを思い出していただければ大丈夫。
ひょっとすると開業以外の手段を思いつくやもしれません。
自分のように虐待される子どもを無くしたい、そのためにはお母さん達を楽にしてあげることが必要。
お母さんを楽にすること、それも手段です。
お母さん達を楽にしてあげるにはどうすればいいか。
その手段はさらにたくさんあることでしょう。
手段がたくさんあるということは、目的地にたどり着くためのルートが無数にあるということです。
可能性がたくさんあるということです。
どのルートをたどればいいか、周囲を見回しながら、頂上にたどり着く時を楽しみに、歩を進めていかれてください。
頂上に立たれたトミーさんの姿、きっと遠くにいる私の目にも届くことでしょう。