↓ これの続き
④目指せ、良妻賢母!
人は自分ができることは他者もできて当然と思いがちです。
そして、人ができて自分ができないことは、できない自分が悪いのだ、と自分を責めます。
専業主婦の方が自分を責めますよね、世間には私より大変なワーママさんがいくらでもいるのに、専業主婦のくせに家事も育児もちゃんとできてないダメな自分、とかって。
みんながみんな雑誌に載ってるようなスーパーウーマンでいる必要ないのですよ。
治療しなきゃいけない
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治療にはお金がかかる
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治療代稼がなきゃ
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でも、体調悪くて条件が限られる
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キラ子さんはこのループをずーっっっっっっっとグルグルされていました。
「条件が限られる」とありますが、体調が悪いから楽な仕事しかできない、とかじゃないんですよ。
キラ子さんの就業に最も枷となっていたのはなんと。
なんと!
作り立ての手作り料理で家族を迎える、ということだったのです。
午後6時なり7時なりに夕餉を完成させておくには、それも出来合いの惣菜とかではなく手作りのもの、退社時間が限られます。
限られた退社時間という条件で、キラ子さんはずっとお仕事を探されていたのです。
ちなみにキラ子さん、やりたいことで仕事を選ぶ、ということをなさったことがありません。
これまでのお仕事全て、自分以外の家族の条件を優先しての選択です。
仕事というのはやりたくないことをお金を稼ぐために仕方なくするもの、というイメージを持っていらっしゃいました。
退社時間を優先すると、仕事で望む金額は得られない。
そして身体はいつもしんどい。
なんで私は他所のお母さんみたいに、家事と仕事がちゃんと両立でけへんのやろ、とキラ子さんはずーっっとご自分を責めていらっしゃいました。
できてるんですよ、できてるんですけど、身体のしんどさが「ちゃんとできている」と思わせなかったのでしょうね。
手作り作り立て料理で家族の帰宅をを迎えなくてはならない、そんな要らんビリーフをキラ子さんにインプットしたのは、お母さまでした。
お母さまがそうなってしまったのにも、切ない背景があります。
お母さまのお母さま、つまりキラ子さんのお祖母は、当時では珍しいバリキャリでした。
村意識がはびこる地方で、お祖母さまは目立つのです、叩かれるのです。
家のこともろくにしない、ダメな嫁、と。
お祖母さまが謗られないように、お母さまは家事を一手に引き受けたのです。
ちゃんとしておかねば
誰からも後ろ指を差されないように
キラ子さんのお母さんにとって、それが至上命題となったのです。
お母さまが自ら望んだ、目指した「ちゃんと」は、キラ子さんにとっては呪いとしかなりませんでした。
続く