見栄を張ってしまうのはなぜ？

みなさんご存知のように（知らんか）卑屈と傲慢はセットです。ニコイチです。

傲慢を自信満々と勘違いされてる方が多いですが、卑屈が「私なんかどうせ」であるなら、傲慢は「あんたなんかどうせ」なんですよ。私ってすごい！じゃないんですよ。

自分が嫌い、も卑屈とイコールではないのですよね。嫌いなら嫌いでいいのです。よそと比べて劣っているから嫌い、となるとそれは卑屈なのです。

そ、卑屈や傲慢は他者との関係性によってできあがるものです。

自分とこが貧乏だって小さいときはわからなかった、っていう方が少なからずいらっしゃいます。自分ちしか知らなかったら、そんなもんだろう、って思っているのです。

よそを知って初めて、うちって貧乏だったのか！と気づくのです。

よそを知って初めて、私って太ってたのか！と気づくのです。

よそを知って初めて、俺って走るの遅かったのか！と気づくのです。

気づく前はおしゃれをして鏡を見るのが大好きだったのに。

気づく前は走り回るの大好きだったのに。

太っている、走るのが遅い、というのは単なる事実です。それに対して「太ってるからダメ」「遅いからダメ」というふうにジャッジを乗っけてしまうのはそういう価値観を持っている人です。他者の価値が入り込んでしまって、いいとかダメとかってなっちゃうのです。

参考エントリー：ブスだからモテないのではなく

本日の参考図書

ある日、不幸な事故で、母を亡くした幼い少年・ズッキーニ。ひとりぼっちの彼を待ち受けていたのは、養護施設「レ・フォンテーヌ」の仲間たちと、ひとりのやさしい警察官だった。

このお話にたびたび出てくる表現、「恥かしい」。

ズッキーニは言いました、「だ、だって恥かしいんだもん」「最初から海にきたのははじめてだって言わなかったことだよ。みんなに笑われると思って言えなかったんだ」。

海を知らないこと、親に海に連れてきてもらったことがなかったこと、他のみんなは親に連れてきてもらったことがあるのに自分にはそれがないこと、それが恥ずかしかったのです。

ズッキーニのせいじゃないのにね。いつも飲んだくれていて構ってくれなかったママのせいなのにね。

いえ、ママのせいじゃありません（どっちやねん。

海に行ったことがないのは恥かしいこと、海に連れて行ってもらってないのは恥かしいこと、という価値観をズッキーニにインプットしたものの「せい」ですね。

いえ、それでもありません（なんやねん。

海に行ったことがないことが恥かしいことだ、と誰からもインプットされていなくても、海に連れていってもらったんだ、という過去の体験を嬉しそうに語る仲間の姿は、ズッキーニに「それがない惨めな自分」と思わせたことでしょう。

自分がそんな惨めな存在であるなんて耐えられない。

だって人は（基本的には）誇り高き生き物ですから。
鉄板参考エントリー：自負とか矜持とか

人から惨めな存在だと思われないために、人はどうするか。

見栄を張るのです。

いえ、違います（ええ加減にせぇ！

人からそう（どう？）思われないために、というのはもちろんありますが、何より自分が自分でわかっているのです、人が持っているものを持っていない、と。持っていないことに、自分で自分が惨めなのです。それを持つことに値しないのです、自分という存在は。

惨めじゃん！！

見栄を張るのは、惨めでいたくないから。もとい。惨めさで崩れ落ちそうになる自分を支えるには、見栄を張るしかないのです。

見栄を張るのとマウント、類似品です。違いは、前者があくまで自分を大きく見せることが目的なのに、後者は相手を堕とすことが目的です。

私にはあれが足りてない、これが足りてなくてダメだ、とかって思わなくて済んだなら、見栄なんて張る必要ないのです。

見栄を張らなくて済むために有効なこと、それは自分が持っているものを第３者の視線で客観的に評価することです。過小評価でも過大評価でもなく。

私はこれができる、これを持ってる、という単なる事実です。それを訴えることは見栄でもなんでもありません、単なる事実です。こんなにできるんだぜ！と、見栄を張るために鎧としなくていいのです。

そして。

私はこれを持っている、ということを事実として認めること、それが「自信がある」ということなのですよ。

持っているものに気づかず、必要ないものばかり欲しがる人の多いことよ。持ってないと勘違いして、見栄を張っている人の多いことよ。

誰もがリソースフルな存在なのに。

欲しかったものが貰えなかったという痛み、必要ないものを追い続ける徒労、それらが大きな穴ぼこになってしまうのですね。

まずはご自分が持っているもの、適正に棚卸しなさってみてください。そしてそれを活用する術を探ってください。お手伝いいたします。

３月７日（水）・８日（木）は東京出張です。
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